不動産の売却について調べていると、「媒介契約」という言葉がほとんど解説なしで登場します。ぼんやりとした意味は推測できるので売却で困ることがないものの、できれば正確に把握しておきたいところです。ちょっとした知識の不備を狙ってくるのが、不動産会社というものですので。媒介契約、ちゃんと理解できてますか?
「媒介契約」をこれでもかと基本から解説

知り合いから「媒介契約ってなに?」と聞かれたのですが、シンプルに答えるのが何気に難しい言葉じゃないですか?

『不動産の購入・売却をするときに、仲介の役割を不動産会社に任せる契約のこと』でどうだろう?

わかったような、わからないような
不動産の売買は高額なうえに、さまざまな法律が関係するため、個人間での売買が非常に難しいもののひとつです。そこで、専門家が仲介して、取引をスムーズに進められるようにします。この専門家が不動産会社です。
不動産会社へ仲介を依頼するときに結ぶ契約が、媒介契約です。ちなみに、媒介契約は不動産を売りたいとき、不動産を買いたいとき、家を賃貸に出したいときなど、不動産会社が仲介する場面で結ばれますが、多くの場合、不動産を売るときを指します。

なんだか、説明が長くて、まだるっこしく感じます

不動産売り売り隊は「不動産を売りたくて売りたくて」という人をサポートするサイトなので、不動産を売るときに不動産会社を利用する契約と解釈してもらっていいよ

詳しい解説は、下のやつを読んでおけばOK!
- 媒介契約(ばいかいけいやく)※一般的な定義
- 不動産流通の実務において、主に「売主が不動産会社に売却を依頼する際に交わす契約」を指す。宅地建物取引業法に基づき、販売活動のルールや成約時の仲介手数料を明確にするために作成される。一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があり、売主は物件の特性や自身の希望に合わせていずれかを選択して締結する
媒介契約の種類選びはどれくらい重要?

媒介契約の種類もよくわからないんですよね

一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約だね。ざっくり分けると、次の表のようになるよ
| 項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 他社への依頼 | ⭕️ 自由 | ❌ できない | ❌ できない |
| 自分で買主を探す | ⭕️ 自由 | ⭕️ 自由 | ❌ できない |
| 不動産屋の報告 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| レインズ登録 | 任意 | 7日以内 | 5日以内 |
| 一言で言うと | 「自由奔放」 | 「標準的」 | 「一蓮托生」 |

まず、専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いがわかりません

だって、自分で買主を探す(自己発見取引)なんて、できるわけないのですから、なくてもいいじゃないですか

そうそうできることではないよね

だから、媒介契約は、一般媒介契約と専属専任媒介契約の2択ですよね、実質

極論だなあ。実際に買主を自分で見つけても、自分で売買の手続きを進めることになるから、簡単じゃないのは確かだけど
もっとも多く選ばれているのは、専任媒介契約です。専属専任媒介契約は不動産会社を強く拘束するため、売主が「そこまで拘束しなくても」と感じて敬遠しがちなのです。報告が1週間おきか、2週間おきかという違いより、「自分で売る権利」を手放したくない人も多いのでしょう。

どうせ自分で売買しないのにな
媒介契約の種類を選ぶポイント

結局、媒介契約はどれを選べばよいのでしょうか

売り出す不動産によって違うから、なんともいえないなあ。だいたい、次の表のような感じかな
| 売主の希望 | おすすめ | ここがポイント |
|---|---|---|
| 囲い込みを絶対に防ぎたい | 一般媒介契約 | 複数社に依頼すれば、各社が情報を隠すメリットがなくなる |
| 一番バランスが良いものを選びたい | 専任媒介契約 | 報告義務がありつつ、自分で買主を見つける権利も残る |
| 不動産会社に熱心に活動してほしい | 専属専任媒介契約 | 他社で売れる心配がないため、不動産会社が費用をかけやすい |
| 不動産屋を信じ切れない… | 一般媒介契約 | いつでも他社に乗り換えられる自由をキープできる。 |
- 囲い込み(かこいこみ)
- 不動産仲介会社が「両手仲介(売主・買主双方からの手数料受領)」を優先し、他社からの物件確認や内覧希望を意図的に拒否する行為。実際には売主が承諾した買主がいないにもかかわらず、他社に対して「商談中」や「紹介不可」と偽ることで、自社で買主を見つけるまで情報を独占する。売主は「好条件で買ってくれる買主」を排除されるため、成約価格の下落や売却期間の長期化を招く

わかりにくです

次の表ならどう? 売れるものは一般媒介契約、売るのに努力がいるものは専任媒介・専属専任媒介契約という感じ
| 売るものの特徴 | おすすめの契約 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
|
人気のマンション 駅近・築浅・大規模など |
一般媒介契約 | 黙っていても買い手がつくため、複数社を競わせて最高値を引き出す |
|
好立地の「土地」 更地・住宅街の角地など |
一般媒介契約 | ハウスメーカーなどプロの買い手も多いため、広く情報を流すのが吉 |
|
標準的な一戸建て 築20年前後・居住中など |
専任媒介契約 | 内覧の日程調整の手間を省きつつ、担当者と二人三脚でじっくり進める |
|
尖った特徴の物件 築古戸建て・地方・再建築不可など |
専属専任媒介契約 | 買い手が限られるため、不動産会社が「確実に売る」と覚悟を決めて動く必要がある |

どうあっても、専任媒介契約が入ってきますね

「万が一、親戚や近所の人が直接買いたい」と言ってきたときの保険を残したい人のためだね。松竹梅の竹みたいな感じ

次のチェックに当てはまるなら、専属専任媒介契約でいいよ!
🛡️ 専属専任媒介契約を選ぶべきかチェック
- 細かく報告がほしい: 販売活動の進捗を毎週しっかり管理したい
- 自分で探す気はない: 親戚や知人が買う可能性はゼロ
- 不動産会社の責任を重くしたい: 他社より優先して広告を出してほしい
- 短期決戦を狙っている: 3か月の期間中、一瞬も気を抜かずに活動してほしい

古めの戸建てを売る人なら、ほとんど当てはまるんじゃないですか?
媒介契約の獲得を狙う営業トークと思惑


不動産会社は媒介契約を結んで、はじめて仕事になるんだ。だから、媒介契約を獲得するために、さまざまな手を使ってくるよ
🔍 不動産会社の営業トークに注意!
| よくある営業トーク | 売主が知っておくべき実態 |
|---|---|
| 「相場より高く売れる可能性があります!」 | まずは契約を優先。売れなければ1か月後に値下げを提案するつもり |
| 「ちょうど探しているお客様がいます」 | 具体的な見込みはなく、内覧の約束すら決まっていないケースが大半 |
| 「1社に任せた方が広告に力が入ります」 | 専任媒介を獲得したい。他社に取られる心配がないため、両手仲介を狙いやすい |
| 「弊社独自のネットワークで即完売させます」 | レインズを使えば、どの不動産会社でも届けられる情報はほぼ同じ |
- レインズ(REINS)
- 「Real Estate Information Network System」の略称。国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するコンピューター・ネットワークシステムで、全国の不動産会社がリアルタイムで物件情報を共有し、他社の顧客にも物件を紹介できるようにする仕組みのこと。市場の透明性と迅速な取引を支える

油断してはいけませんね

もう1社だけ声かけして、営業トークの裏づけを取るといいよ


